立正福祉会 全国家庭児童相談室
相談事例集抄録

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不登校とひきこもり 東京シューレの活動から

平成15年9月2日 東京都品川区「ゆうぽーと」
講師:NPO法人「東京シューレ」代表 奥地圭子先生

1975年以来、小中学校の不登校の生徒が急激に増え始め、さらに「引きこもり」と呼ばれる多くの若者がこの社会に生まれている。現在(2003年度)、統計のとれる小中学校における不登校の生徒の数は128,000人とされ、前年より減少し状況が改善されたように文部科学省は発表しているが、それは統計上の処理に関する変更のためであって、その実態は全く変わらないままである。

また、この統計には高等学校における不登校生徒は含まれておらず、また、とりあえず学校には通学しているが、学校という環境に適合できないと感じている生徒たちは想像以上に多いと言える。すなわち、この不登校という現象は、現在の日本社会に非常に広がりを持つ構造的な問題であることになる。

「引きこもり(閉じこもり)」に関しては、公的な統計数値は存在しない。したがって、実数は不明であるが、およそ、80〜100万人存在するという見方がなされている。

かつて、不登校にしても引きこもりにしても、それに至る所与の原因があり、とりわけ、家庭環境の特殊さが指摘されて来たが、現在では、どのような環境においてもこれらは起こりうるということを文科省も認めている。つまり、不登校や引きこもりは特別な環境にいる特別な子どもにおける特例的な問題ではなく、いつ、誰にでも起こりうる問題であるということである。この問題に関与することになったのは、私の子どもの不登校となったからである。

さて、それではどうすれば、この問題は解決されるのだろうか。その一つの方法が民間の「フリースクール」という事業である。ここでは、不登校の生徒たちが、強制されずに自主的に自分のカリキュラムにおいて学ぶということを実施している。学びの場であり、何より安心できる「居場所」を提供する。

私が代表を務める「東京シューレ」は、1985年6月に「登校拒否を考える会」として事業をスタートした。この活動規模は年々広がり、現在都内に3ヶ所、約200人が通うまでになっている。この間に約1,000人の子どもたちが社会へ巣立って行った。

「東京シューレ」の基本理念は、「こどもたちがそれぞれやりたいことを大切にする」というものであり、多くの講座プログラムや各種のイベントへの参加は子どもたちが主体的な選択に任すということを徹底している点に特徴がある。

さて、不登校、そして、引きこもりは都会や地方の差なく、日本国中にくまなく広がっている。非常に多くの家庭でこの問題に苦しんでいるものと思われる。

まずは、現状をよく理解していただき、問題の本質を熟知していただいて、解決への方法を示していただくことを希望するものである。

(平成16年度研修会)

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